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記事詳細 178号 2011年12月20日 08面「特集:連載」

IT企業を魅了する沖縄へ進出加速! 【後編】

 自然に囲まれた環境を探す

良好な自然環境や行政の手厚い支援制度、人件費の安さを求め、東京や大阪など本土のIT企業が沖縄へ進出するケースが右肩上がりで増えている。現地で事務所を開設するにあたり、案外多いのが海などの自然を間近で感じたいという声だ。

 


海に間近のオフィスは北部に

▼中心部では海の見える事務所実現はほとんど無理
宜野座村ITオペレーションパークのパンフレット利便性を考えて、事務所は沖縄経済の中心地である那覇市やその周辺に置きたいが、一方で自然を間近で感じたいという要望も多い。ただ、自然環境が良好な沖縄とはいえ、市内中心部で「海が眺められるオフィスを探すのはかなり難しい」(県東京事務所)というのが実情だ。

そうした希望にも応えられるのが、沖縄北部の市町村が運営する公的施設である

▼太平洋を間近に感じる宜野座村のITオペレーションパーク
那覇市内から高速道路を使って約40分、宜野座村(ぎのざそん)は人口5500人弱の"村"。2002年、太平洋に面した松田地区に建てられたのが「宜野座村ITオペレーションパーク」だ。

木々に囲まれた静かな集落に突然現れる広大な駐車場と、鉄筋コンクリート造りの「サーバーファーム」が2棟。NTT西日本と日本IBMがデータセンターを運営するほか、オリックスやベルシステム24など9社が拠点を置き、約470人が24時間体制で勤務する。

データセンターという性質上、関係者以外は駐車場内にさえ入れず、外部から建物も見えづらい。当初は「看板のファームという文字を見た地元住民から『なんの農場ね?』と聞かれたこともあった」(同村役場)という。

そんな同施設の自慢は、目の前が太平洋という恵まれた眺望。カフェテリアやテラスなどあらゆる所から海が間近に感じられるよう設計されており、建物の外に出ると波の音も聞こえる。"沖縄らしさ"という面では、もっとも優れた立地環境にある。

名護市の各種施設も良好な自然環境の場所にある (http://nda.city.nago.okinawa.jp/ より)▼さとうきび畑を切り拓いて建てられた名護市のオフィスビル群
宜野座村オペレーションパークからさらに車で北上すること10分余。名護市内の太平洋側に位置する豊原地区に置かれているのが、名護市マルチメディア館など一連の公的オフィス群だ。

同館のほか「みらい館」と名付けられたビルが3棟あり、4棟目の建設も近く着手する。現在は32社の1000人近い人が勤務。進出企業には外為どっとコムや安藤証券などネット取引に注力する証券会社が目立つ。施設は市などが設立したNPO法人「NDA」が運営しており、法に縛られた行政の枠を超えた支援活動を行っているのも特徴だ。

さとうきび畑を切り拓いて作られた「みらい館」は、周辺の自然環境が良好で、リフレッシュルームなどから海が間近に見える棟もある。加えて1平方メートルあたり最高でも2301円という施設使用料も魅力だ。

▼中心部を離れるデメリットも
ただ、いずれの施設も周辺の自然環境が良好な半面、中心部から離れてしまうことのデメリットもある。付近に食事の場所やアパートなど居住施設も十分に揃っているとはいえない。

名護市の支援施設を運営するNDAは「東日本大震災以後は問い合わせ件数が急増しているが、本当にこの場所でいいのかどうか、一度必ず現地へ来て自身の目で確かめてから決断してほしい」とアドバイスする。進出への第一歩は、経営幹部が実際に現地を訪れることから始まるのだ。

(連載終わり)

 


 

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11年12月20日[ 178 号]

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