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記事詳細 178号 2011年12月20日 04面「特集:経営」

知らないと損する経営のこと

第31回 税務調査における交渉のツボ 「更正してください」の一言を

交渉次第では結果が変わる

税務調査で「否認する」と指摘された内容に納得できない、間違っていることは認めるが、重加算税の対象になるとは思えない――という場合があります。このような場合、どういう対処法があるのでしょうか?

 

◇◇◇


「それは納得できないので、修正申告はしません」
対処法としては「それは納得できないので、修正申告はしません。否認額は更正してください」と言うことです。もちろん、この方法は1つの可能性の問題なので、絶対に上手くいく方法というわけではありません。

税務調査で税額を更正するということは、①税務署長の決済をもらわなければならない、②争う前提なので、税務署側が勝つ可能性が高い――というハードルがあるのです。

更正は法律上の行為なので、実行される場合もありますが、国税局の調査ではなく、税務署の調査の場合は更正はしづらいのが実情です。

ちなみに、国税局(特に東京国税局)の場合は税務署よりも更正をしてくる確率が高くなります。それは、上場企業などの大手を調査した場合、株主に対する体裁上、修正申告はしにくいため、会社が国税局に更正を要請してくるということがあり、更正が特別なことではないからです。

「更正してください」という言葉の可能性
実際、当社のお客様に税務調査が入った際、お客様が大きなミスをされていたことがありました。当然、税務調査官は「重加算税です」と指摘してきました。私も本音を言えば、「理屈からいえば、重加算税でも仕方がないな」と思った事例でした。しかし、全てが理屈で決まるわけではないのが税務調査です。そこで、私は「納得できないので、更正してください」と税務調査官に伝えました。

そうしたら、否認はされたものの、重加算税は回避できたのです。大きなミスですから、否認は仕方がありません。分が悪い勝負でしたが、「更正してください」という言葉の可能性にかけた結果、こちら側が勝ったのです。

仮に、更正されたとしても、修正申告をした場合と同額の税金を支払うだけ。納税者側に特別なリスクがあるわけでもありません。だから「では、更正してください」という一言は大きな可能性を秘めた言葉なのです。

だから、

税務調査で「否認する」と指摘された内容に納得できない
間違っていることは認めるが、重加算税の対象になるとは思えない
(もっといえば、重加算税の対象になる可能性はあるが、重加算税をかけられたくない)


という場合は、「更正してください」と言ってみましょう。

もちろん、更正される可能性はありますが、この交渉がうまくいく可能性もあるのです。だから、成功するかどうかは別問題として、チャレンジする意味はあるのです。しかも、ノーリスクなのですから。

交渉の仕方で否認額、否認内容が変わることも
秋は税務調査が多い季節なので、痛い目を見た会社もも多いことでしょう。しかし、ミスした内容は仕方がないとしても、交渉の仕方で結果が変わるというのが税務調査です。交渉の仕方によっては否認額、否認内容が変わる、重加算税を回避できるということもあります。

特に、重加算税の問題は大きく、次回の税務調査がいつ来るかという問題にも発展します。短期的に次回の税務調査が行なわれれば、会社としても時間、労力、お金がかかり、追加納税のリスクも出ます。

重加算税がかかれば、延滞税の計算対象外になる期間もありません。そういう意味からもあなたの会社に税務調査があり、同じような状況であれば、この可能性にかけてみてください。理屈的には厳しい交渉でも何とかなるかもしれませんので、ぜひ、チャレンジして頂きたい方法なのです。


 


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