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記事詳細 178号 2011年12月20日 04面「特集:経営」

【最終回】その時、社員を守り、お客様に責任を果たせますか? -BCPの現状とは-

第6回 BCPを企業の社会的責任としてとらえる

自己防衛や危機管理意識が高い欧米では「企業は従業員や地域や国に対して社会的責任を果たすべき存在である」との意識が高い。日本でもリスクに柔軟に対応できる備えがあり、かつ経営戦略として取り入れられていることが一流の企業として評価されるようになった。BCPを企業の社会的責任(CSR)の視点でとらえる企業も増えている。

 


「勝ち残る企業づくり」の原動力に

日本ユニシスはBCPは企業の社会的責任であることをうたっている http://www.unisys.co.jp/csr/自社サイトでCSRをはっきりうたう企業も
経団連の「CSRに関するアンケート調査」(437社)によると、CSRの情報開示をしている企業396社のうち95%がCSRに関する情報をインターネット上に公開。その企業のWebサイトをみると、BCP策定をCSRの柱の一つとして据えている企業が多いことがわかる。

例えばNECは、「災害時における社会的責任を果たすことが大事」との考え方に基づき、グループ共通のBCP基本方針を決めている。それに従って、各事業部では特性に応じた具体的な取り組みを定めている。

日本ユニシスグループは、BCPは企業の社会的責任であることをはっきりうたい、新型インフルエンザ対策やBCPについて詳しい取り組みを紹介している。06年度に首都直下地震対策に取り組み、07年春にBCPを策定。プロジェクトは代表取締役を推進責任者とし、グループの各社、関連組織の代表者が月に一度程度集まり、問題点や課題の共有と対応を行なう形で進めている。

ニコンは、大規模地震発生や火災事故などを想定した「統合防災・BCM委員会」を設置。東日本大震災の対応を振り返り、首都直下地震に備えてBCPの見直しを行った。

コクヨグループは、07年にBCPを策定した。同社は、08年にBCPの国際規格であるBS25999の認証をオフィス家具業界で初めて取得している。

「3.11」以降、具体的な取り組みが増える
CSR経営を支えるガバナンスの一つにリスクマネジメントを掲げ、BCPの取り組みを積極的に打ち出しているのがパナソニックだ。社長と取締役・役員で構成される「グローバル&グループリスクマネジメント委員会」を設置し、全社重要リスクの一覧表を毎年公表している。

今年度は東日本大震災の発生を受けて、自然災害を重点モニタリング対象リスクに選定し、沿岸地域にある生産拠点で地震・津波対策の中期的見直しを開始。戦争・内乱・紛争(テロ含む)にも対応範囲を拡大している。

震災発生時は、全社緊急対策本部を立ち上げ、情報収集や全社一体となった被災地への支援、経営課題の検討を実施した。地震リスクを想定したBCPをすべての事業ドメイン会社で策定しており、工場で事前の対策が生かされた事例が見られたという。

CSRの「S」はステークホルダー?
大企業ではBCPはCSRの中に位置づけられているが、中小企業に浸透するには時間がかかりそうだ。ある大企業のBCP担当者は「中小企業には、CSRのSをSocial(社会)ととらえると漠然とし過ぎるかもしれない。Stakeholder(ステークホルダー)のSと考えた方がぴったりイメージできるのではないか」と話す。

経営トップは、会社の成長、発展と運命を共有するすべての関係者=ステークホルダーに責任を持たなければならない。そうした認識を持つとき、BCPは「生き残る企業」でなく「勝ち残る企業づくり」の原動力になるのではないか。

 

(古俣愼吾)

(連載おわり)

 


 

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