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記事詳細 178号 2011年12月20日 03面「特集:解説」

TIDE&WAVE -IT新潮流- #050

Facebookとソーシャルゲーム 激動の一年で何が起こったか

Word:湯川鶴章


インタレストグラフ領域に注目

▼モバイルプラットフォームに注力するFacebook
http://developers.facebook.com/docs/guides/mobile/さて今年もあとわずか。この時期になると今年1年を振り返る方も多いかと思う。今年はIT業界にとってどんな年だったんだろう。

時代の1つの変わり目として注目すべきニュースは、Facebookがモバイルプラットフォームに力を入れ始めたことだ。

このモバイルプラットフォームは、開発コード名が「プロジェクトスパルタン」と呼ばれ、発表前から「Apple対抗プロジェクト」として注目を集めていた。HTML5をベースにしたモバイルプラットフォームで、HTML5を使って開発されたアプリはiPhone、Android端末のどちらでも動作するほか、AppStoreやAndroidマーケットなどのアプリ市場を通さずにアプリを販売できる。

アプリの存在はFacebookの人間関係を通じて広く伝播する可能性があり、実際10月にFacebookがモバイルプラットフォームを発表してからアプリの利用が急増するケースが出始めている。

▼ソーシャルゲーム関連企業が大躍進
一方、日本のIT業界にとって最大の出来事は、ソーシャルゲーム関連企業が大躍進したことだろう。

DeNAの直近の四半期の売上高は前年同期比28%増の346億8900万円、営業利益は同13%増の154億700万円。グリーは同145%増の304億3200万円、経常利益は同165%増の165億2800万円と絶好調だ。ソーシャルゲームメーカーの株式会社Klab(クラブ)も上場を果たしたほか、同じく株式会社gumiも20億円の資金調達に成功している。

シード・プランニングの予測によると、日本のソーシャルゲームの市場は14年には2514億円にまで拡大するという。ソーシャルゲームの世界市場はその10倍ほどの規模と推計されている。

▼DeNAもグリーもソーシャルゲームに固執せず

ソーシャルゲームの領域に関しては業界内でもいろんな見方はあるが、芸者東京エンターテインメントの田中泰生社長は「IT業界の中でもゲームを下に見る人がいるが、次の情報経済を理解するためにもゲームはやるべきだ」との意見だ。

また、DeNAもグリーも、ソーシャルゲームに固執する考えはなさそう。DeNAの守安功社長は「未来永劫ソーシャルゲームの会社であり続けるつもりはない」というし、グリーの吉田大成氏も「ここ1~2年はソーシャルゲームに専念するが、その後は音楽や動画などの娯楽が(ソーシャルゲームの)プラットフォームに乗ってくれば大きく進化するはず」と語る。

▼インタレストグラフで世界を凌駕
IT業界の主戦場はPC上のプラットフォームからモバイルプラットフォームに移行した。Facebookのそれは、実際の友人同士の関係(リアル・ソーシャルグラフ)が中心だが、グリーやDeNAのプラットフォームは趣味嗜好をベースにした人間関係(インタレストグラフ)が中心。複数のプラットフォームの併存は可能だろうし、どちらのプラットフォームが事業的に大きくなるかというと、インタレストグラフの方だろう。

2012年以降、日本のIT業界はインタレストグラフの領域で、世界を凌駕できるのではないか。そんなワクワク感に満ちた年の瀬である。

人と接するような自然な動作や会話でテレビを操作する――。それがApple が次に起こそうとしている大変革なのではないだろうか。

 

 


湯川鶴章(ゆかわ・つるあき)

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