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記事詳細 146号 2010年08月24日 04面「特集:経営・エンタープライズ 」

電子書籍で米国勢に対抗 多業種横断で流通協議会

大日本・凸版
出版・ITなど90社参加「日本の出版文化守る」


電子出版制作・流通協議会の会長に就任した大日本印刷の高波光一副社長(右2人目)、副会長になった凸版印刷の大湊満・常務取締役(左2人目)ら大日本印刷(DNP)と凸版印刷という印刷大手2社が中心となって、電子書籍の制作や流通を適切に進めるために活動する業界団体「電子出版制作・流通協議会」を設立した。新聞社や携帯キャリア、ポータル運営会社、広告代理店、端末メーカーなどから八九社・団体が参加。電子出版産業の振興にあたって「日本の出版文化を守る」というビジョンを旗印に掲げた。電子書籍端末「キンドル」を持つ米アマゾンやiPadの米アップルなど先行した海外勢とどのように折り合いをつけるのか。◇

先月27日に設立総会を開催後、任意団体として発足した電子出版制作・流通協議会。発起人には両社のほか電通も名を連ねた。

会長に大日本印刷の高波光一副社長、副会長には凸版印刷の大湊満常務取締役が就任した。

http://www.aebs.jp/参加企業は、朝日新聞社や毎日新聞社、共同通信社、インプレスホールディングス、日経ビーピーなどの新聞・出版のほか、NTTドコモやUQコミュニ ケーションズ、インターネットイニシアティブなどのキャリア・プロバイダ、パナソニックや東芝などのメーカー、ポータルのヤフーなど多岐にわたり、ソフトバンク系でiPadへのコンテンツ配信を手がけるビューンも目を引く。

海外勢では、すでにインテルが参加。アマゾンやアップルについても参加の希望があれば排除するものではないという。

同日開いた記者会見で、高波会長は、「現在ある電子書籍は規格や使用がさまざまで、ISBNのような(書籍を特定できる)コードもない」と指摘。さらに、縦書きをはじめ、文字の種類やルビの振り方など、日本の出版物ならではの伝統的な表現について、「失われかねない」と危機感を強調していた。

確かにこれまでも、コンピュータが普及する過程におけるUnicodeの登場などで、漢字の表記が制限されるといった問題が起こっている。英語圏のスタンダードに任せていると、出版文化に悪影響が及ぼされかねないという議論には分がある。

一方、既に大手出版社でつくる「電子出版社協会」などの業界団体もある。こうした状況については「出版社側から、規格の議論は、DTPなどのノウハウを積み重ねている印刷会社で対応してほしいとの要望もある」(協議会代行理事の北島元治DNP常務)などと役割の違いを説明した。

出版文化の維持のほかに言及されていたのは、日本の出版業界の「水平分業モデル」。アップルやアマゾンのような垂直統合型ではなく、出版社や印刷、取次、書店、端末メーカーなどが水平分業する産業構造を維持していく方針を確認していた。

(鈴江貴)

 


 

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