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記事詳細 146号 2010年08月24日 03面「特集:ニュース・解説 」

デジタル教科書の普及へ 最有力の産学団体が発足

デジタル教科書教材協議会(DiTT)

デジタル教科書端末を2000万人の生徒・教員に全員無償で配布する――。先月27日に都内で行われた「デジタル教科書教材協議会」(DiTT)の設立シンポジウムでは、孫正義ソフトバンク社長ら発起人のメンバーが声をからして訴えた。すべての小中学生にデジタル教科書を行き渡らせるという目標に向けて、日本で最も有力なコンソーシアムが立ち上がった。

藤原副会長は会場で模擬授業を行い、インタラクティブなやり取りの重要性を訴えたDiTTは孫正義氏をはじめ、マイクロソフト日本法人の樋口泰行社長、慶應義塾大学メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授、三菱総合研究所理事長で元東大総長の小宮山宏氏、民間出身の教育改革者として知られる東京学芸大学客員教授の藤原和博氏ら7人が発起人となって先月27日に発足した産学共同のコンソーシアム。同日の設立総会で初代会長には小宮山宏氏、副会長には陰山英男(立命館大教授)、藤原和博、中村伊知哉の3氏が選出された。

幹事企業としてソフトバンクやマイクロソフトをはじめ、アップルジャパン、KDDI、NEC、小学館、毎日新聞社など19社が参画。また会員企業には、NTTドコモ、ソニー、電通、凸版印刷、博報堂などに加え、印刷、出版、学習塾、マスコミなど各分野の50社超が名を連ねている。

同会では今後、デジタル教科書や教材の普及を目指し、ハードやソフト開発をはじめ、実証実験、政策提言などを行っていく。設立シンポジウムでは原口一博総務大臣や文部科学省の斎藤晴加参事官がエールをおくるなど、国との連携も印象付けた。

1人1台の時代に
上から、小宮山会長、中村副会長、発起人の樋口氏、発起人の孫氏DiTTの設立シンポジウムでは発起人のうち6氏が登壇し、デジタル教科書の普及にかける思いを語った。

小宮山宏会長は教育の世界でも知識が細分化され、処理できないほどの情報量があふれている現状を述べ「ITを上手く活用することで、解決できるかもしれない。良いコンテンツを早く出そう」と呼びかけた。

中村伊知哉副会長は、米韓に比べ日本の動きが若干遅いことを紹介し、「1人1台の本格展開に向け、世界に通用するアプリケーションやコンテンツを生み出したい」と同会の役割を説明した。

続いてマイクロソフトの樋口泰行社長は「現代は頭に入りきれないほどに情報量が多いが、デジタルであれば様々なことが可能になる」と述べ、東芝製の端末でデジタル教科書として実際にどのように使えるのかのデモも行った。

ソフトバンクの孫正義社長は「教育の改革なくして日本の未来はない」と宣言し、「今日は物議をかもしに来た。今までの教科書は間違っている。丸暗記を強いるようなものばかりで、30年後に役に立たないものが多過ぎる。教科書は感動を与えるものであるべきだ。2015年までに小中学校の生徒や教員全員に配布しなければならない」と声を上げた。

また、そのためには月々の負担が280円で可能になるという独自の試算を紹介し、これを「子ども手当」の中から負担すべきとの案を示した。

続いて行われたパネルディスカッションには、藤原和博副会長が登壇し、会場にいる会員らを相手に全員参加型の模擬授業を披露した上で、「子どもの側からの情報発信がなければダメだ。教室内での情報の流れが変わる、そういう時代にしたい」と言い、「子どもたちからの発信を増やす、これが未来の教材だ」と理想像を示した。

また「子どもがなかなか憶えないと、教える側がイライラしてしまうことがあるが、デジタル教科書だと例え99回間違えたとしても、100回目に正解すればほめてくれる」と話し、デジタル教科書や教材は反復を伴う学習に適していることを紹介していた。

 

 

 

 

 

 


 

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