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記事詳細 146号 2010年08月24日 03面「特集:ニュース・解説 」

TIDE&WAVE -IT新潮流- #018

【米国】もう紙の本には戻れない!電子書籍リーダーの機能強化が加速

Word:湯川鶴章


▽辞書機能を搭載
辞書機能が搭載された米アマゾンが無料で提供するiPhone/iPad向けの電子書籍リーダーアプリ「Kindlefor iOS」に辞書機能が搭載された。またハード機器「kindle(キンドル)」のほうはソーシャルメディアとの連携機能が搭載されたし、米アップルが提供する電子書籍リーダーアプリ「iBooks」にも辞書機能が搭載されている。米IT大手間の電子書籍リーダー開発競争のおかげで、機能拡充がハイピッチで続けられているわけで、もはや紙の本は不要とまで思えてきた。

iPhoneやiPadで「Kindle for iOS 」を新バージョンにアップグレードすれば、「ホーム」画面でNew OxfordAmerican Dictionaryという英英辞典をダウンロードできるようになった。もちろん無料だ。その後、書籍コンテンツ上の分からない英単語の部分に指を置くだけで画面の下にその単語の意味が(英語でだけど)瞬時に表示されるようになった。これは非常に便利だ。

また、その単語に関する情報をGoogleやWikipediaで検索することも可能。ただし、これはブラウザ「Safari(サファリ)」を立ち上げての検索なので、検索結果が表示されるまで1~2秒かかるし、SafariからKindleへ戻るのにも少し時間がかかる。アップル提供の無料アプリiBooksも同様に辞書機能が搭載されたほか、画像部分をダブルタップすれば画像が拡大表示される機能や、別の専用アプリに移動することなく、本の中で音声やビデオを再生できるようにもなった。

またハード機器としてのKindleは既報の通りソーシャルメディア連携機能がついて、気に入ったフレーズなどをTwitterなどのソーシャルメディアに簡単に投稿できるようになっている。

この領域はアマゾン、アップル、グーグルが競っているわけだから、機能拡充がものすごい速度で進んでいるわけだ。これからもさらに機能強化が続くだろう。音声読み上げ機能や自動翻訳機能、ユーザが協力しあって翻訳する機能なども、当然標準搭載されるようになるだろう。

▽課金の仕組みを
本の作り手、著者としては、米IT大手が今後も機能拡充を競うのだろうから、もう自分たちでアプリ開発をする必要もないと思う。あとはやはり課金できる仕組みがほしい。来年くらいにはアマゾン、アップル、グーグルなんかも日本で電子籍販売の仕組みをスタートさせるのではないだろうか。読者としては、もう紙の本には戻れないという感じだ。これは本当にそう思う。すべての本が早く電子書籍になってほしい。

▽高くても電子版
最近、米国の「キンドルストア」で少し前に出版された本を買おうと思ったらハードカバーの本のほうが電子書籍より3割以上安かった。それでも電子書籍ならすぐにも読めるし、各種機能などのいろいろなメリットもあるので、電子書籍のほうを購入した。

電子書籍は紙や流通コストがほとんどかからないのだから紙より割安に価格を設定すべきだという話があるが、個人的には電子書籍のほうが高く設定されていても電子書籍を買いたい。

電子書籍が普及しないと考えている人は、多分どんなことができるか、これからできるようになるのか分かってないのではないだろうか。

▽日本法人に期待

先日もテレビでコメンテーターが「電子書籍だと、ページ上にメモの走り書きなんてできないでしょ」と言ってたけど、「ハイライト」機能も「ノート」機能もある。それに、よほどニッチなニーズでない限り、読者の機能的な要望のほとんどは、かなり早い時点で解決されると思う。IT大手が機能拡充を競っているのだから。ただ日本人特有の機能の要望、例えば日本語辞書がほしい、とかはしばらく時間がかかるかもしれない。アマゾン、アップル、グーグルの日本法人にはぜひ頑張ってもらいたいものだ。

 


湯川鶴章(ゆかわ・つるあき)湯川鶴章(ゆかわ・つるあき)
時事通信退職後、2010年からライブドア傘下のブログメディア「Tech Wave」の編集長に就任。このコラムは、ブログの記事の中から話題になったものに加筆修正したものです。

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